結々で取り扱っているアンティーク着物は、大正〜昭和初期ごろの戦前に誂(あつら)えられて、実際に当時のお嬢様方が着ていたものです。
令和の時代から逆算するとざっと80年〜100年前の古いお着物で、骨董品や古美術品と並び、もう二度と現代では作ることが出来ない貴重な宝物です。このアンティーク着物の世界はとても奥深く、日本人としてぜひこの歴史や文化の背景も知ってもらいたいと思い、このページを綴っています。私の溢れるアンティーク着物愛とともにお届けいたします。どうぞお時間のあるときにごゆっくりご覧ください。
当時のこどもと七五三
7歳までは神のうち
当時の親御さんが愛する子供のことを想い、その成長を願い、七五三詣りでは特別な思いで着物を誂えていたのだと思います。今のように予防接種や医学の進歩もまだまだで、ひとたび疫病などにかかれば命に関わる一大事だった時代。「7歳までは神のうち」かつての日本には、こんな悲しい言葉があったそうです。「7歳まではいつ亡くなってもおかしくない」という意味です。
だからこそ、七五三を迎えられる喜びと感謝を神様に伝え、家族皆で祝っていたのだと思います。そのような愛と祈りに溢れた結々のアンティーク着物たち。それぞれの着物にはたくさんのストーリーが詰まっていて、どれもずっと大切にしたい、私にとって1冊1冊の物語のような存在です。